抑止限界論への疑義

なぜ国際政治学者は中国に加担する?月刊「世界」7月号を見ていたら、藤原帰一教授の名前があり、三浦瑠麗氏の師匠ということは知っていたので、どんな考え方をしているのか興味が湧きました。これまで教授の言論に、コメントにしろ、文章にしろ、触れたこと…

SNSジャーナリズムの時代

─ 上海電力疑獄をめぐって2022年も6月に入りましたが、今最もホットなニュースといえば、上海電力問題と言えましょう。ロシアのウクライナ侵攻の出口が見えない中、わが国の中では特にネット世界の話題として、日々更新され、新たな事実がさらされています。…

萌え町紀行-7仙台高松入口

昨年11月末に「萌え町紀行ー6 金沢八景」を投稿してから、半年近くが過ぎました。昨年年末から今年にかけて、私の身の上に、入院、退職、引っ越しという三つのことが、ほぼ同時期に起きました。これを転機と言わずして何と言うでしょう。こんなライフステー…

萌え町紀行─6 金沢八景

さよならは京急に乗ってこの地との関わりが生じておよそ2年半。それがもうすぐ終ろうとしています。特に気にもとめていない女性の美に、ある瞬間に気がつくかのように、この地の何の変哲もない素材の逐一が、急に光を放ち出しているように感じられます。考古…

太田光に反省は要らない

10月31日のTBS選挙特番での太田光の言動が炎上していることを知った時、ついに来たか、と思ったものです。いつかあるかもしれない、と彼の発言に触れるたびに感じていたことが起きてしまい、こんなに早かったか!と少し複雑でした。つまらないことで騒ぎに巻…

山とり爺さん 第2話

今日もお爺さんは、山とりに街へ出かけました。世間をパトロールし、「ちょっとおかしくね」と眉をひそめたり、「これはいいね」と褒め称える、そんな高踏的な振る舞いをルーティンとしているんだとさ…商店街の一角にこのコインランドリーを見つけた時は、「…

山とり爺さん 第1話

今日もお爺さんは、山とりに街へ出かけました。世間をパトロールし、「ちょっとおかしくね」と眉をひそめたり、「これはいいね」と褒め称える、そんな高踏的な振る舞いをルーティンとしているんだとさ…私は、こういう奇を衒った打ち出し方には鼻をつまんでし…

踊る禍いビジネス

─ワクチン音頭メイキングセオリー加齢臭という言葉が定着してしまいましたが、私は解せない類いのひとつと思っています。資生堂が1999年にノネナールという物質を発表したことから始まっているようです。それ以前からニオイに対して過敏になった風潮が出てい…

私はスキップしない

日々、マスクをつけて行動することが当たり前になっています。おかげで、初めて会った人の場合、フェイスの全貌をついに知ることなく終わることも生じています。これはもう、半顔(はんがん)時代になっているのかもしれません。マスクは下半身ならぬ下半顔…

萌え町紀行-5赤レンガ倉庫その④

両義性の館─「横浜赤レンガ倉庫」についての試論4欧米と日本─ 赤レンガ倉庫はどう評価されるのかそもそも「萌え町紀行」とは、観光などの一時的な訪問に基づく「紀行」と対蹠的概念として用いています。そこに住んだり、仕事で関わったり、惹きつけられたり…

萌え町紀行-5赤レンガ倉庫その③

両義性の館─「横浜赤レンガ倉庫」についての試論3美と思想─なぜ赤レンガは惹きつけるのか明治、大正に造られた赤レンガ倉庫が、保存、復元、再生というプロセスを経てこんにちまで至っているわけですが、そこには建築物としての価値や、横浜港発展の記憶など…

萌え町紀行-5赤レンガ倉庫その②

両義性の館─「横浜赤レンガ倉庫」についての試論1温存と再生─誰が赤レンガ倉庫を創ったのか2歴史と現代─なぜ倉庫を造ったのか3美と思想─なぜ赤レンガは惹き付けるのか4欧米と日本─赤レンガ倉庫はどう評価されるのか2歴史と現代─なぜ倉庫を造ったのか横浜赤レ…

萌え町紀行-5赤レンガ倉庫

ショッピングセンター(以下SC)を「萌え町紀行」として語るには、少し整理が必要と感じています。シンプルに考えてSCを語るとは商業施設をテーマとして論ずることに他ならず、直接的には町の話ではないわけで、そこ、どうよ、という疑問です。しかし、それ…

萌え町紀行 - エピソード2

汐 入 女 子 の 朝(あした)第1話 クッキータイム「嘘!そんなことがあるの!」「そうよ、ほんとなのよ。悲しいことだけど」「小川さん、いい人だったのに」「佐竹さん、結納も終わってたのにねえ」事務所に着く早々、女子スタッフの二人は突然のできごと…

萌え町紀行 ─ 4 自由が丘

あなたは自分の萌え町をお持ちでしょうか。それは初めて訪れてすばらしかった、などというのとは違い、一定期間そこに住んで、日々暮らし、季節折々の変化を肌で感じ、日常の蓄積の結果、その地でのアルバムが一冊、人生の本棚に配置されてしまっていること…

萌え町紀行 - エピソード1

具体的な町の名前を出さないのは、実際に名前が出てこないし、出す必要がないとさえ思っているからです。それでは萌え町とは言えないのでは?という指摘がありそうですが、名前を出さないものの私とは熱いというか、深いというか、否応なしに関わりがありま…

萌え町紀行 ─ 3 鎌倉

あなたは自分の萌え町をお持ちでしょうか。それは初めて訪れてすばらしかった、などというのとは違い、一定期間そこに住んで、日々暮らし、季節折々の変化を肌で感じ、日常の蓄積の結果、その地でのアルバムが一冊、人生の本棚に配置されてしまっていること…

「萌え町紀行」のスキームについて

スピンオフ「萌え町紀行」ということで汐入と上大岡について書いてみました(公開済)。その後も、いくつかの町が題材として控えているのですが、ここで、ふと立ち止まってしまいました。故郷も萌え町の一つとなるでしょう漫然と書いていては、一般的な紀行文…

萌え町紀行 ─ 2 上大岡

あなたは自分の萌え町をお持ちでしょうか。それは初めて訪れてすばらしかった、などというのとは違い、一定期間そこに住んで、日々暮らし、季節折々の変化を肌で感じ、日常の蓄積の結果、その地でのアルバムが一冊、人生の本棚に配置されてしまっていること…

いかにして価値ある本を書くか

─ その価値創造について検証してみる 前回の記事から問題意識を踏襲していて、どのようにして価値ある本を書こうか、必ずしも本でなくともいいのですが、どうしたらわれわれ臣民にも表現に関わる価値を創造できるか、そのあたりを探っています。文章論ではあ…

萌 え 町 紀 行 ─ 1 汐入

あなたは自分の萌え町をお持ちでしょうか。それは初めて訪れてすばらしかった、などというのとは違い、一定期間そこに住んで、日々暮らし、季節折々の変化を肌で感じ、日常の蓄積の結果、その地でのアルバムが一冊、人生の本棚に配置されてしまっていること…

露呈した虎ノ門ニュースの器量

DHCテレビの「真相深入り!虎ノ門ニュース」は、地上波テレビや各社新聞などのいわゆるマスメディアの偏向報道や、フェイクニュースを撃てるネット界の風雲児として、今後ますます期待される番組と思っています。しかし、アメリカ大統領選を巡って思わぬ展開…

なぜ、その本は読まれるのか

─ その価値について検証してみる今回は6冊の本を採り上げます。その本の紹介目的ではなく、また書評をしようとしているわけでもありません。そもそも、なぜその本が買われ、読まれるか、そこが気になっています。それを明らかにする方法としては、自分の書物…

「投稿魔」アップグレード指令

─ 緊急作戦コードネーム、トパーズ0076コラム星人としての私の活動が1年を経過したのですが、コラム星より「トパーズ0076」が下りてきています。私の活動舞台である地球におけるJapanの国民には、この概要を告知することが義務づけられています。本国ならぬ…

解説に美学が宿る

─ 試論、日本民藝館への提案日本民藝館に行くと、創始者=柳宗悦翁の意思により、展示作品については各自の感覚で味わって頂きたく説明はつけない、という趣旨の但し書きがあります(*)。説明書きがないことへの意思表明といって良いでしょう。これについ…

聖なる明治神宮

先般、秋のよく晴れた日に、明治神宮へ行こうと思い立ちました。原宿に行くのは何年振りになることでしょうか。考えてみれば都内にあって、こんなに身近で山深い場所があったと気づけば、無性に心惹かれるのでした。明治神宮鎮座百年大祭ということで、令和…

触れてはいけない その2

─ タブーとタブーの間前回の「触れてはいけない」では、これだけの情報化社会で本当のタブーなんてないかもしれない、という感想を末尾で表明しました。タブーは批評によって破壊されていくものなのかもしれません。しかし、私の中に厳然と、そこは言っては…

触れてはいけない

─ タブーと批評の間要するに「言ってはいけない」というタイトルにするつもりでしたが、すでに著名な同名タイトル本があるので、そこを少し避けようという意識が働きました。「タブーと批評の間」とは、余計にわけがわかりませんが、あまり触れられないとい…

街なかスケッチ

スマホを持って街を歩いていると、レトロな家並に出合って写真に収めたり、一休みの時に、ニュースを見たり音楽を聞いたり、はたまた、メールや電話の連絡が入ったりと、記録、娯楽、連絡が四六時中可能となりました。特にカメラ機能は、画質もよく、素人に…

本日の日本

スターバックスやタリーズに入ると「本日のコーヒー」というメニューがあります。「本日のコーヒーって何ですか?」と訊くと「はい、本日はグァテマラになっております」と返ってきました。「いやいや、そうではなくて、そもそも本日のコーヒーって何ですか…